ミャンマー滞在も3週間を過ぎて残すところは1週間ほど、いよいよラストスパートといったところでしょうか。最後にヤンゴンから早朝の空路で発つことを考えれば、ヤンゴンからなるべく近い街に移動したい。ゴールデンロック観光の拠点キンプンとヤンゴンの間に位置する、バゴーという地方都市に目を付けました。
 
バゴー(別名ベグー)は、バスでヤンゴンから2時間、キンプンからは2時間半ほどの場所にある街ですが、マンダレーやバガンと並び称されるミャンマーの古都としても有名らしい。調べてみると、13~16世紀にモン族の首都となり下ビルマの中心として発展した栄光の歴史がある街。まぁ繰り返しになるが、ミャンマー旅行の醍醐味はどれだけ多くのオモシロ仏像や造形物に出会えるかということ。古い都ということで(それ以外とくに根拠はありませんが)大きな期待が持てそうです。
 

到着後さっそくバゴーの街なかを巡る

キンプンから乗車したバスは午前中にはバゴーに到着。意外に早い時間に着いたので安宿探しは楽勝!

チェックインした宿は中心街にあるミヤナンダホテル(Myananda Hotel)。ここ最近は小ぎれいなビジネス仕様のホテル/ゲストハウスに宿泊していたので多少のギャップ!久々の安宿仕様だが、すぐに慣れました。まぁミャンマーで朝食込み10ドル前後の個室では、この程度でも十分リーズナブルだと思う。
 

宿の近くで年代物の鉄橋を発見。渡ってみるとマーケットが開かれていました。と、ここで・・・
 
たどたどしい日本語で声をかけられたので振り返ると老人が立っていました。ただ、片言の日本語を話すことはできるが、こちらの質問は全く理解できない様子(ちなみに、英語でのコミュニケートは不可能でした)。どこで日本語を学んだか聞きたかったのになぁ。私が思うに、本来コミュニケーションとは双方向のモノ。こちらの話しを全く聞こうとせず一方的に話しを繰り出す人って、私は嫌いです。早くここから解放されたいなと思いながら適当に相槌を打っていると、「どこそこの寺院は何時から何時までチェックが甘いので入場料を払う必要がない」など、まぁ真面目な旅行者(!)にはどうでもよい情報を言ってくる。私は入場料を払うつもりだから、そうした情報はいらないよと手振りでイヤイヤポーズをすると、そのうちに自分がガイドをすると言いだしてくる。ご老人よ、あなたの小遣い稼ぎに協力できないことは申し訳ないが、ガイドは必要ありません!
 

とまぁ、変なオヤジにつかまり時間を潰してしまったが、マーケット近くで軽食をとった後、街自慢の寺院巡りをスタートです。
 

散歩がてら歩いてまわれるバゴーの寝仏たち

街なかにあるバゴー駅を基点にのどかな道をゆっくり歩くこと15分ほど、まず最初に目指した場所は・・・
 

マハカラヤニシマ

とりあえずガイドブックの地図に記載された、このマハカラヤニシマという寺院。私にとって関心をそそられることはなく、すぐに寺院から退出したが、この向かいにある巨大な立仏は見事です。
 

向いにあった、ミターヤンナンダという寺院。金に彩られた立仏はスバラシイですが、ここはバゴーを代表する仏塔「チャイプーン・パヤー」を訪れる前に来てくださいね(よりステキなモノは後に見た方がベターという旅の法則)。
 

ミャッターリャウン寝仏

先の立仏から2分ほど歩くと、大きな門が見えてきました。

山門を護る巨大な獅子さんは(マンダレーヒルと同様に)つぶらな瞳がキュートです。実はまだ入場料を(請求されていないため)払っていないが、獅子は全く怒る様子もなく私をゲートの内に通してくれる。優しいぜ!
 

やっと寝仏と対面です。う~ん、こんなに暑苦しいのに、そんな涼しい目でいられるとはサスガに仏陀!心頭滅却すれば火もまた涼しですね。
 

仏陀の後姿。う~ん、色っぽいぜ!艶のある曲線美に思わず興奮・・・しません。
 

仏陀の頭髪と足裏。ワタシャあねぇ、歳を経るにつれ頭髪が薄くなってきている・・・このフサフサとした仏陀の髪がとても羨ましいです。
 
まぁ、私は煩悩まみれの信仰心も乏しい、ただのオッサン。修練なく仏陀と同じ黒々としたフサフサの髪になろうというのは、あまりにムシが良すぎる。いまだに入場も払わず、お布施も払っていない私は、この場を立ち去り次の目的地に向かいます。
 

シュエターリャウン寝仏

ミャッターリャウン寝仏から徒歩5分でほどで、バゴーを代表する寝仏に到着します。

さすがに巨大な山門があり、こちらで入場料を払わず・・・という訳にはいかず、しっかりと徴収される。まぁ、お金を払ったのですから、存分に願い事をしても罰は当たらないでしょう。ちなみに先の日本語で話しかけるオヤジは、この寺院も含め入場料チェックが外れる時間帯を知っているとのことなので、まぁその情報を信用して観光したい方はマーケットでオヤジを見つけてください(おそらく向こうから話しかけてくるはず)。
 
ここは994年にモン族の王によって建立されたものと伝えられる、由緒正しき寺院。バゴー王朝の滅亡後は放棄され密林に埋もれてしまったが、イギリス植民地時代にインド人の手で再発見されたそうです。
 

いよいよ巨大な寝仏とご対面。全長55m、高さ16mの仏陀はさすがに圧巻の大きさです。
 

仏陀の枕には立派な装飾がなされ、なんとも贅沢な感じ。何が詰まっているのか気になる~!足裏の装飾も見事。
 

寝仏の台座には、仏陀の歩んだ物語が彫られており、そちらも見事です。
 
 
このバゴーでもやはり見所は寺院と仏教芸術。これまでに十分見てきたものですが巨大な寝仏はやはりインパクトが抜群。ただね、インパクトに圧倒され見事だと感嘆しながらも、どこか冷めきった自分がいます。私にとって今日見た仏像よりも印象に残る光景は、シュエターリャウン寝仏の向かい側にありました・・・

掘っ建て小屋のような茶屋で、ミルクティと菓子を頬張りながら休憩をとることにします。参拝客の誰も見向きすらしない茶屋で一人過ごす時間は、寝仏の豪華な装飾よりも贅沢に思えてくるのです。ただねぇ、静寂な時を”優雅”に過ごす姿がいつしか見つかってしまい、オーストリア人のカップルが声をかけてきた。うん、僕ととても気が合うステキなカップルでしたよ。


<スポンサーリンク>