ウドゥムポンピサイ(スリン近郊)寺院&遺跡のぶっ飛び方
いつもならバンコクからウボンラチャターニまで夜行列車で直行してしまうのですが、今回はタイ東北部の街をメインに巡る旅、ナコンラーチャシマで中国新年(春節)を堪能した後、スリンに向かいます。さてこのスリン、一般的には「象の街」として有名らしいのですが、「象祭り」のタイミングを外せば観光客が大挙押し寄せる街ではないはず。まぁそれ以外のお目当てと言えば、丘上のクメール遺跡として名高いパノムルン遺跡でしょうか。私も確かにパノムルンは訪れたことがなく、スリン滞在中には散策する予定です。しかし、私がこの地を訪れた一番の目的は(カンボジアで見飽きた)クメール遺跡ではなく、とにかくぶっ飛んだ地獄寺(しかもクメール遺跡が併設されている)を見学することでした。その寺院の名はワットカムペーンヤイ、あまりにもオドロオドロシイ彫像の数々を目の当たりにし、地獄とは人間の想像力の中でいかようにも恐ろしく創られることを思い知りました。
地獄寺の話しを始める前に、まず鉄道ファンである私の話しを聞いてください。キハ20形とは日本国鉄が1957年~1966年まで製造した一般形気動車で、キハ22やキハ25・キハ52形など同系型の気動車を含め1126両が造られる。国鉄を継いだJRでは、2000年代後半までに全ての運用が終わりました。まぁ、現在でも千葉県のいすみ鉄道や茨城県のひたちなか海浜鉄道で運用されることはありますが、とにかく見たら懐かしい~と声をあげたくなる車両なのです。
さて、ナコンラーチャシマからスリンまでタイ国鉄の各駅停車に乗って移動したのですが、ここで乗った車両が・・・
う、これ、まるでキハ20形の系列じゃない?興奮のあまり思わず声をあげてしまう。乗ってすぐ、座席にスリスリと猫のように身体をこすりつける私、変態じゃないです!
線路は続く~よ~ど~こまでも~♪って、車両の一番後ろはなんと開放しっぱなし!とにかく風が通り涼しいのは好感が持てるが、まぁ日本では許されざる光景ですね。
ナコンラーチャシマからスリンまで3時間ほど乗車したが、列車から降りる時は名残惜しいほど、もっと乗り心置きなく車両のニオイを堪能したかった。ということで、できることならタイ国鉄、しかも各駅停車(ORD:Ordinary)を利用して旅をしようと心に誓うのでした。
スリン到着後の翌日、街散策やパノムルン訪問は後回しにして、真っ先にカムペーンヤイに向かうことにします。
カムペーンヤイはタイ東北部の大(?)都市スリンとシーサケットの間にあるウドゥムポンピサイの街にある。スリンからは鉄道で1時間半ほどの行程。
ということで、再びタイ国鉄・キハ20形もどきにご対面。まぁ何度も乗れば感動は薄れるものですが、ここぞとばかりに車両を目・耳・鼻で堪能する。
ウドゥムポンピサイの駅からカムペーンヤイまでは歩いて15分ほど。街を探索しながらゆっくりと向かいます。
駅近くには大きな市場が広がっている。探索すると・・・
とにかく臭いよ~!発酵具合が半端ではない魚&調味料群がそこかしこに並んでいる。ディーゼル車輛のオイルのニオイはいくら嗅いでも大丈夫だが、この発酵臭はとてもじゃないが我慢できない。これらの食品、実は腐っているんじゃないのぉとツッコミをいれたくなるくらい。昨今の健康ブームの折、発酵食品も人気とのことですが、そんな軽薄な発酵信者に問いたい。ここの腐敗臭(?)プンプンの香りを嗅いで、それでも身体にいいのよ~と唱えながら食べることができるのか?
このカムペーンヤイを訪れた最大の目的は、遺跡に隣接したとにかくぶっ飛んだ寺院を見学することですが、まずは正しい観光客を装い、クメール時代の遺跡を見学することにします。
11世紀頃に建立されたクメール様式の寺院跡、それなりに見応えはある。が、研究者やクメール寺院マニアでないならば、わざわざ遺跡を目的に訪れる価値があるかどうかは・・・微妙です。ただ、多くのレリーフが残されており、わざわざカンボジアに行く用事がない方は、クメール遺跡の雰囲気に手軽に触れられるという点では良いのかな。
実はクメール遺跡エリアは、結構広いカムペーンヤイ寺院の中で構成されており、遺跡を見学したら否が応でも現代寺院のエリアも見学することになります。
まずは当寺院を護る僧侶たちの像に祈りを捧げる。しかし、この巨大なドラの前に居並ぶ僧侶たちの銅像がシュールな光景をつくりだしており、さらにおぞましい光景を暗示するかのよう。
では、いよいよ地獄寺の本領発揮!こちらの僧侶がつくりだした「こんなことをしたら、こんな地獄(報い)を受けるのだよ」ワールドが展開します
んん~性欲に敗れたる者は、あそこが巨大化して苦しむのです。
食欲に敗れ暴飲暴食を繰り返すと・・・全てのモノを吐き出してしまい、身体が崩壊してしまうのです。
この辺りになると、どんな報いでこんな姿になったのか、よく判りません。いつもお尻からブリブリと排泄する痩せ細った者に、なぜかネズミになってしまった者。こんなグロテスクな像を見ていくうちに・・・恐怖、ではなく笑いがついこみあげてしまう。まぁ世間では”うんこドリル”などお下劣うんこブームですが、この地獄寺もとにかくお下劣。どこを見ても排泄物を垂れ流した像だらけ。さすがタイ、タブーなど包み隠さずオープンにする姿が心地よい。うんこうんこと叫びながら、こんな悪いことをしたら、こんな目に合うよという因果応報の概念を教育する姿にニヤケながら、スリンに戻るのでした。
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