スリンの街は何の変哲もないタイの地方都市です。しかし、駅・バスターミナルやショッピングモール・飲食店街などがコンパクトにまとまり歩いてまわれる程良い街の大きさと、観光客が少ない割にはそれなりに見応えがある観光スポット(地獄寺、クメール遺跡など)へ手軽にアクセスできる点が気に入りました。しかも、日本で例えれば3星レベルの手頃なビジネスホテルに格安で泊まれるとあれば・・・ついつい長居をしてしまいます。
 

スリンに到着、居心地の良いホテルはどこにある?

前回記事ではいきなりウドゥムポンピサイ(地獄寺)について記したので、今回は時計を1日巻き戻しスリン到着時の状況から書き始めることにします。
 

スリン駅前で象のお出迎え、しかし荷物をすぐに置きたく安易に1泊目の宿を選んでしまった・・・

日本国鉄が誇るキハ20形を彷彿とさせる気動車は前回記事で詳しく書きましたが、興奮冷めやまぬままスリン駅に降り立つと、立派な象たちのモニュメント(象の家族像)に出迎えられる。さすがは象の街だぜ!
 
さてここからホテル探しですが、とくに情報が多いわけではない上に冷房ナシの各駅停車に何時間か乗ったせいかスグにシャワーを浴びたかった。と、駅前に問題はまぁなさそうなホテルを発見、即座にチェックインを済ませます。
 

このホテルの名前はNew Hotel。Newの名前とは裏腹に年季の入ったエレベーターで上階に行く。部屋は見ての通り・・・値段相応(当時1泊220バーツ:約750円)の安宿です。ここで長居をするつもりはなくチェックイン後に、翌日以降の滞在ホテルを探すついでに街散歩に出かける。ちなみに、こちらのホテルは駅前のせいか深夜・早朝に鉄道の入れ替えや走行音が響き渡るため、多少は寝不足気味の朝を迎えました。
 
スリンは鉄道駅から200mほど離れた場所にバスターミナルがある、交通アクセスがとても便利な街です。実はこの点ってとても重要なポイントで、タイの都市だとバスターミナルは街郊外につくられることが一般的、中心街まで出るのにトゥクトゥクやソンテウなど他の交通機関に世話になることが多い。スリンはこの点でポイントがジャンピングアップ!しかも、鉄道駅とバスターミナルの間にステキな大型ホテルがあったのです。
 

このホテルの名前はPetchkasem Hotel。いかにも地方にある中高級ホテル然としているが、よく見ると経年劣化が素人目にも判る。20~30年前は街一番の高級ホテルだったんだろうなというお姿(ただ、公表している宿泊料金は最新の『地球の歩き方 タイ』をチェックすると1泊1200バーツ:約4000円とでている)。どうせお高い値段だろうが、とりあえず料金チェックのためフロントに向かうと・・・朝食込みの値段(1000バーツ程度)が提示された後、すぐに「今、キャンペーン価格があり、とても安く泊まれます」とのオファーを受ける。プールも付いたこのホテル、どうせ安くなっても3割引きじゃ泊まらないよと勝手に値踏みしていたら、「朝食無しで1泊350バーツです」。え、350バーツで泊まれてしまうの!?なんなら、ここに住んじゃってもイイよ。久々のプール生活がウレシイです!
 

スリンの街、歩いて行けるオモシロスポットを紹介

スリンは平凡なタイの地方都市で、街なかにどうしても訪れたい観光スポットは・・・ありません!ただ、歩いてまわると、それなりのスポットはあるようでして・・・。
 

豪華な街の守護神ラックムアン(Lak Muang)

タイの街歩きではお馴染みのラックムアン、街の守護神を祀った柱です。街によっては、このラックムアンがとても派手に祀られていまして・・・

クメール寺院を模した、この赤く巨大な建物の中に柱が祀られていました。周囲が金ぴかなラックムアンはよく見かけますが、このクメール調の様式は・・・お金かかっていますね!
 

ラックムアンの道路向いには、これまた派手なインドの巨大寺院のような建物がありまして、どうもワットクランという名の寺院のようです。私が訪れた際は修繕中でしたが、今どれほどの派手な姿に生まれ変わっているか想像すると・・・行ってみたいなぁ。
 

クイ族と象の像(Muang Surin Elephant Memorial)、スリンパクディーの像

スリン駅から歩いて20分ほどの場所に、街一番の観光スポット「スリンパクディーの像」があるが、私にとってはスリンパクディーという得体の知れない方(スリンの初代領主らしい)より、その手前にある「クイ族と象の像」の方がオモシロかった。
 

象の迫力ですよ、迫力・・・まぁわざわざ訪れるべきとは申しませんが、象に乗るクイ族の方たちの彫像がイイ味を出しているではありませんか?
 

なんとここにはギネス認定の表示板がありまして。読んでみると、ふむふむ、象さんたちによる世界最大のお食事会があったようでして。2003年の象祭り期間に269頭のアジアゾウが集められ、なんと50トンにも及ぶご馳走が振舞われたそうです。
 

では街のシンボル、「スリンパクディーの像」を見てみましょう。彼は、アユタヤから逃げ出した白象を捕らえた功績により、この地の領主に任命されたとのこと。大きな象牙の先に立つスリンバクディーはさすがに誇らしげな表情を浮かべるが、ここの見どころは彫像よりも信者から奉納された象たちではないでしょうか。象を供えることで自身の立身出世を祈っているのでしょうか、神話にあやかりたいタイの方たちの信仰心が微笑ましいです。
 
 
以上、スリン市街地の散歩スポットについて紹介しましたが、この地味な街にわざわざ観光目的で足を運ぶ方は少ないかもしれません。ただ、地味だと言いながら、タイの地方都市にはどこも個性的な見どころやお楽しみスポットがあり、決して旅人を飽きさせることはありません(例えば以前に紹介したピチットなど、その典型例ではないでしょうか)。バンコクなどの大都会やプーケットなどの大リゾート地、チェンマイなどの大観光都市を巡ってばかりでは疲れてしまう。異常ともいえるツーリストの人混みから離れて地方都市に腰を下ろすのも、私にとってのタイ旅行の楽しみ。その際、私が地方都市に求める要素は以下の5点に集約できます。

 ・街歩きが楽しめること
 ・交通の便が良いこと
 ・ショッピングモールなど都会ライフがおくれること
 ・居心地の良いホテル
 ・オイシイ食事

その意味でスリンは、私が好きなタイの地方都市でした。


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