コンポントムはプノンペンとシェムリアップの中間辺りにある街、両都市を行きかうツーリストにとってはバスの休憩で立ち寄る場所といった程度の認識でしょうか。まぁ最近は2017年に世界遺産に指定されたサンボープレイクック観光の拠点として観光客が増えているようですが・・・。しかし、遺跡観光を目的としているツーリストにとってコンポントムの街は結局ただの通過点、ここをわざわざ観光する方は少ないようです。
 
そんな風に言うと、いかにも冴えない街だと思われがちだが、ここはコンポントム州の州都、繰り返すがThe”州都”!これは地方都市ファンの私にとって強く興味を惹かれる街のはず。サンボープレイクックなどの遺跡を訪問する前に、いかにも平凡な地方都市コンポントムの魅力を探り当てたいと思います。
 

コンポントムなんて知らない?いや、カンボジアをバスで移動したなら、そんなはずはない!

カンボジアを旅するバックパッカーにとってプノンペンとシェムリアップはお馴染みだが、それ以外の街は知らないなといった方は多いはず。しかし、この2つの街をバスで移動した方なら、次の光景に見覚えがあるはずです。

この巨大なマーケットこそコンポントムのランドマークで、大概のバスはここでいったんストップするはず。ちなみにこの写真は2012年にプノンペンからシェムリアップに移動した際に撮影したもので、当時はコンポントムの名を知らなかった!
 

ちなみにこの2012年に立ち寄った際もっとも度肝を抜かれたのは、ご覧の食材がバス停車地点のすぐ脇で堂々と売られていた点。そりゃタイやラオスでも昆虫が食材として売られるのはよく見かけますよ。ただ、それらは決して主役にはなれない食材、市場でイチバンの一等地で堂々と売られることは…あまりないはず。それがこのコンポンチャムでは、バスから乗客が降り始めに目に留まるものが昆虫のこの哀れな姿なのです。屋台の主役The 昆虫、よっ千両役者!
 
私にとって以前のコンポントムの記憶とはオゾマシイ昆虫のみだった。それが今回の訪問によって印象がどう変わったのでしょうか?
 

コンポントム街なか旅行記の始まりです

今回はコンポンチャムからバスで4時間ほどかけてコンポントムを目指す。

バスは2012年当時とほぼ変わらない姿のコンポントム・マーケット正面に到着。ただ当時と異なる点は、昆虫屋台が全然見えなかったこと、怖いもの見たさに期待していたが拍子抜け!昆虫の出迎えがないことにホッとすると同時に時代の変遷をこの時は感じるが・・・その安心感は後ほど裏切られます。
 
今回はコンポントムに宿泊するため、まずは宿探し。面倒だなと思っていたら・・・

マーケットの隣りにかなり巨大なホテル(写真左)が建っている。ここはアルンレアホテルと言い、館内エレベータがある上に部屋も清潔で好感が持てる。しかも1泊5ドルと安い!即座にチェックインを決める。
 

コンポントム街なか散歩、セン川沿いを歩く

マーケットから北に200mほど歩くとセン川に架かる鉄橋に当たる。

2つの橋が並ぶが、白く塗られた旧橋よりもクルマが行き交う(汚らしい)トラス構造の橋に惹かれてしまう。街歩きは、まず川沿いを探索することから始めます。
 

「象vs虎」のモニュメントを発見。トラ1匹とゾウだとおそらく勝負にならないが、トラ2匹で襲い掛かれば、いくらゾウだと言ってもヒトタマリもないはず。まさか、こんな決闘を見たいからという理由で作ったモニュメントだとしたら、う~ん、ケッコウ残酷ですよ。
 

川沿いには古いナーガ(蛇)像とともに真新しい神像も数多く立ち並ぶ。シヴァ神のモチーフは定番ですね。
 

そうした神像のうち、とにかく目を引くのは一対の獅子(シンハ)像。一見したところコピーの如く同じ像に見えるが、お股に注目!お判りでしょうか、この獅子さんたちは男女ペアなのですね。いや~お恥ずかしい!
 

驚愕!コウモリが無数に止まる樹

川沿いに200mほど歩いた頃でしょうか、やけに獣臭いニオイが漂ってくるが、それらしい姿が全く見えず不安になる。

妙だなぁと思いながらフト隣りの樹を見上げてみたらビックリ仰天です。お判りでしょうか?コウモリの大群が樹にぶら下がりジッと息をひそめていたのでした。しかもコウモリが止まるのは(おそらく)この樹だけ、なんなんだよ!大声を出したり手を思いっきり叩いてコウモリを起こしちゃおうかと好奇心が湧くが、まぁせっかくの就寝中、イタズラ心を抑えじっと見守るだけにします。まさかとは思うが、吸血コウモリの類だとしたら怒らせたら大変ですしね。
 

コンポントムのマーケットを散策

川沿いの散策を終え、マーケットに戻ります。昆虫屋台に会えず残念だなと思いながら、マーケットの脇に入ると・・・

でたよ、昆虫!しかも量が増えている。ガラスケースに入っている点はかなり進歩したかな?写真を撮っていると、オバチャンから「まぁ食べていきなさいよ」といった感じでタガメを差し出されるが、スイマセン、無理っす。
 

苦痛に悶えた豚さんの顔面を尻目に笑顔を見せるお姉さん、その横には臓物が吊り下げられている。こんな光景は東南アジアはもちろん、沖縄・那覇の国際市場でも見かけるアリフレタものだが、いまだに私は見慣れません。
 

外では魚の干物が売られているが、この開き方は見事の一言!1匹の魚をこう何重にも開き、うわ~おいしそう・・・とは私には思えない。これはかえって”悪魔の開き”です。いや~過去は東南アジアでの食品マーケティングに携わってきた私ですが、このセンスは理解の範疇外でした。敏腕マーケッターも脱帽!


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