カンボジアを代表するビーチリゾート「シハヌークビル」、何も売りがないように思える老舗リゾートだが、その中途半端さがかえって気に入り予定の2泊をさらにもう1泊延長し滞在する。さて1泊延ばす分、何をしようかと考え街の小さなツーリストオフィスで情報を集めたところ、シハヌークビル近隣の離島をいくつか巡る1日アイランドホッピングツアーが宣伝されている。宣伝写真では、いかにも美しいビーチや魚一杯のサンゴ礁が楽しそう、それに朝・昼食がついて料金は・・・なんと15ドル!うん、これは即決、翌日の予約を済ませる。出発が待ち遠しいぜ!

実際の参加報告を始める前に、まずはチラシに記されたツアーの内容を紹介します

オフィスに置かれたチラシに記されたツアー内容を書き起こすと・・・

    1)朝8:00にツアーが開始されるので、それまでにオフィス脇の食堂に自分で来て無料の朝食をとる
    2)チャルー島(Koh Chraluh):美しいサンゴ礁の中をシュノーケリング、この体験はアンビリーバブル!
    3)ルセイ島(Koh Russei 別名バンブーアイランド):美しいビーチに降り立ちランチ、釣りたての魚を食す
    4)トレス島(Koh Tres):最後に抑えのシュノーケリング、名残惜しさにこの地を離れたくなくなるのは必至!

といった内容、つまり3つの離島を巡り、シュノーケリングやビーチを楽しむというモノ。チラシの文面だけを読めば、え、信じられな~い体験、早くした~い・・・と胸の高まりを抑えられず歓喜の雄叫びをあげそうですが、まぁシハヌークビルには過大な期待をしてはいけないと(高僧のように)悟っていた私。期待値を存分に下げてツアーに参加したのでした。
 

アイランドホッピングツアー参加報告記

では、アイランドホッピングツアーを参加当日・朝の光景から実況風に報告します。
 

早朝のセレンディピティビーチはゴミが全く落ちていない、その理由は・・・

宿から歩いて5分ほどの場所にあるセレンディピティビーチを散策。せっかくの早起き、誰もいないのかと思いきや・・・

地元の女性たちが、早朝からビーチのゴミ取りに勤しんでいました。前回記事で記した「さほど美しくない中途半端なビーチ」といった感想は正直なものとして訂正はしませんが、地元の海岸の環境を守り抜こうとする態度には頭が下がる思い、感謝。
 
ビーチからほんの10mほど内陸に入ったオフィスはまだ開いていないが、朝食会場となる食堂には何人かすでに先客がいた。

まぁ無料ならこの程度の朝食でも御の字でしょうか、なにせオカズのオムレツ付きですから豪華朝食ですかね?
 

朝の船着場には何艘かのツアー船が横付けされ、いつの間に多くのツーリストが集まり賑わいを見せる。
 

まず最初の目的地、チャルー島でのシュノーケリング

ボートは内海の波静かな湾を進む。島影がいくつも見える中で、どれが最初の目的地チャルー島か見当がつかなかったが、何艘かボートが集まる島で私の乗船ボートも停まる。まぁここがチャルー島なのでしょう。
 
案の定、船頭はシュノーケリング道具をツアー参加者に手渡しシュノーケリングの開始。ただねぇ私の予想と異なった点は、この島に上陸しなかったこと&島の名前を伝えられなかったこと。船頭が撒き餌をばらまいたことで魚は集まってきたが、もともと透明度がやや低い海がさらに濁ってくる・・・個人的にはあまり楽しめなかった。
 

このツアーのメインイベント、ルセイ島(バンブーアイランド)に上陸

気を取り直し、次の目的地に期待!・・・は、あまりしていません。パタヤやペナンよりは美しい海という私の評価を覆すことはできるのでしょうか。

どうやら私たちのボートが本日の上陸一番乗りだったらしく、ほぼ無人のビーチはそれなりに美しい。さすがにシハヌークビル本土のビーチと比べればステキですが、タイのプーケットやホアヒン辺りと比べ遜色なしといったレベルでしょうか。街のチラシに書かれた、世界のキラキラビーチと渡り合おうと訴求する姿はやはり誇大メッセージと言わざるを得ません。マーケティング的に言えば、この程度のビーチで期待値を高めてしまう=ハードルを上げてしまうのは悪手なんだよなぁ。2000年代には東南アジア・中国マーケティングにこの人ありと呼ばれた(これぞ誇大の嘘、呼ばれていません!)私が助言をしたいものです。
 

ふと見ると、食料品を積んだ1艘の小型ボートがビーチに到着、どうやら飲料やパンを搭載している様子。もうすぐ期待(?)の食事タイムのようですね。
 
そのうち続々とボートが到着し、ビーチがかなり騒がしくなってくる。ハンモックで寝ていた私も我慢ができなくなるが、狭いビーチに静寂な場所は見当たらない。そのうち、同乗の西洋人が食事ができたよと呼びに来てくれた。

いや~これだけの食事がいつの間に用意されていたとは、気がつかなかった。魚の味は今さら思いだせないが、私の日記にはオイシイともマズイとも書かれておらず、ただ「醤油があればGOOD」と記されていた。やっぱり醤油って海鮮国・日本において最高の調味料ですね。
 
私が乗船したツアーは15ドルと格安で、コスパ的には大満足です。ただねぇ…私たちご一行の隣りでは、おいしそうな魚を何匹も並べたバーベキュー台がセットされ、何人かのお金持ち風(?)中国人が今か今かとお箸を鳴らしていた。そういえば、私が見たツアー紹介のチラシにもバーベキューの写真が載せられ、美味そうに食す西洋人が写っていた。このシハヌークビルがイマイチ中途半端に映るのは、こうした点なんだよ!繰り返すが身の丈に合わない誇大な訴求をしてしまうと、ユーザーは期待とのギャップにかえって反感が増すのだよ。確かに15ドルのツアーで釣りたての魚をバーベキューで食べることは無理かもしれないが、それならランチ付とだけ記し控えめにアナウンスした方が結果的に満足度は増すのだよ。
 
と、半ば感謝、半ば不満を感じながら食事を済まし再びハンモックで一休み。先ほど呼びに来てくれた西洋人は近くに座り互いに行儀の悪い会話を交わす。こんな怠惰で幸福な時間が過ごすうち、ボートの出発時間となります。
 

最後の目的地トレス島でシュノーケリング

一通り食べて一通り休むと身体はどんどん怠けることに慣れ、いまさら疲れることなどしたくありません。

トレス島に到着、桟橋が見えるがボートはなぜか着岸しない。どうやら上陸せず、こちらでシュノーケリングだけをする様子。海に飛び込む気が起きず、先ほどの西洋人に水中の状態を聞くと、最初に訪れたチャルー島とさほど違いがないとのこと。だったら船の上で休憩でも同じでしょう!
 
 
とまぁ、こんな調子でツアーメニューを消化し、再び元の出発地点(セレンディピティビーチ)に戻ってきたのは夕方6時前。けっこう長い時間が経過したが、3島ホッピングの広告に対し実際に上陸したのは1島だけ。昼食は豪華バイキングではないなど、大げさな広告には不満が残ります。でもねぇ15ドルで過大な期待をしてはいけないよっと天からの声が聞こえた気がする。そう、ここは中途半端さがウリのリゾート地シハヌークビル、大らかな気持ちで晩酌に向かうとしましょう。


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