ルアンパバーンはラオスを代表する観光都市となりましたが、道に観光客が溢れかえり身動きが取れないといった状況までには至っていないはず。たしかに私がこれまでに紹介した2003年のルアンパバーンの素朴な光景と人々とは隔世の感があるといってもそこはラオス、古都の風景は依然落ち着きのある静けさを保っていると言えるでしょう。
 
さて「落ち着きのある静けさ」と一応は書いてみたが、ルアンパバーンの魅力である平穏な静けさを打ち破る、騒々しさのあまり思わず発狂してしまう日が1年に3日(メインは2日)だけあります。それが「ピーマイラオ」。ラオス正月にあたる日で、この日は皆さんが無礼講、メインストリートには人が溢れ皆で水をかけあう光景はまさに修羅場!逃げ惑う人々を水鉄砲で撃つ姿は戦場そのものかもしれないほど。
 

前ふり:ルアンパバーンで行われるピーマイラオの簡単な説明

とまあ「水かけ」だけをピックアップすればピーマイラオがいかにもヒドイ日となるが、それじゃなぜ、僕がわざわざルアンパバーンに来たのか?まさかびしょ濡れになりながらドブネズミのように街を這いずり回ることが楽しいと思えるほど、私はM気質ではありません。ルアンパバーンのピーマイラオで行われるパレードを見に来たのじゃ~!このパレードでは、偉~い僧侶たち(ワットシェントンなどの僧侶一同)やエスニックグループ(ラオ族以外にモン族やアカ族など)の美女たちに加え、ラオスの神様(ゆるキャラ?)であるプーニュー&ニャーニャーが1km以上の長い祭列をつくる、それはそれは華やかなパレードなのです。

 
ただ、パレードだけでは、まだまだインパクトに乏しく私をここまで駆り出すだけの魅力とはならない。実は、このパレードではミス・ルアンパバーン「ナンサンカーン」の方たちによるパレードも行われ、それがラオス全土にテレビ中継されるのです。ネット記事で見たナンサンカーンのあまりもの美しさに心奪われた私は、いつかピマーイラオに参加し、ナンサンカーンの方たちをこの目で見たいと密かに思っていたのでした(そのためにバンコクから、わざわざ飛行機でルアンパバーンまで乗りつけた私のことを、気持ち悪いオヤジだと思わないでくださいね)。
 
ちなみに2日間にわたり行われた華やかなパレードの様子と、ミス・ルアンパバーン「ナンサンカーン」の美しい女性たちについては次回記事で詳しく報告するとして、今回記事では普段のルアンパバーンからは想像もつかない、ピーマイラオ当日の浮足たった街の光景について、私が参加した2015年の模様を報告します。
 

ピーマイラオ初日(4月14日)、本番は翌日なのに街ではすでに興奮気味

翌日にピーマイラオのパレードが出発するワットタートノイを見ようと街に出向いた私。メインストリート・チャオファーグム通り一帯は朝から歩行者天国となり、正月の買い出しのためか多くの人が通りを埋め尽くしていました。

新年を祝う動物たちが描かれた縁起物を買っていく方が目立つ。動物たちの絵はプリントモノも手で描いたものも含め、贔屓目に言えば味があるなぁと思うが、日本人の感覚から言えばかなり雑に描かれた、ハッキリ言って下手なものが多いのが笑えます。
 

ナイトマーケットでもお馴染みの小物、これらは観光客向けではなく地元の方に売られています。
 

正月だからか、若い方でも民族衣装を着ている方をちらほら見かける。私のイイカゲンな知識から推察するに、この若者たちはタイダム族だと思うが・・・まぁイイカゲンな推察です。
 

こちらのご老人はおそらくモン族の方たち。新調した衣装が華やかに見えます。
 

とまあ、露店が連なるエリアは安全に歩行できますが・・・そこを外れ露店が姿を消すと、すでに戦闘の一端が行われていた。そう、これはまだ戦闘の端緒に過ぎない、いわばお遊び状態の水かけなのです。私を含む外国人観光客にも水をかける若者たちが列をなし、街を歩けば必然的にずぶぬれ状態になるが、こんなものは翌日以降と比べればカワイイものです。しょせんは小さいプラスチック桶や小さなバケツでバシャッと水がかかる程度。ルアンパバーンの水かけってチョロイなと、この時点では甘く見ていた私。バカでかいホースや機関銃のような水鉄砲で無差別に撃たれることなど、想像もしていなかった私は、祭りに参加した高揚感で幸せな気分でピーマイラオ初日を終えたのでした。
 

ピーマイラオ2日目、パレード開始直前の浮かれた様子

4月15日、ピーマイラオ2日目。いよいよこの日から2日間にわたるパレードが行われる、いわば本番を迎えます。
 

早朝、托鉢の光景。以前に見たときと比べ僧侶の列がとにかく長い!これ、1kmどころの長さじゃないかもしれない。外国人観光客の多くは喜捨する側として、道端に座り僧侶に施しをしている。そうした観光客に「施しセット一式」(米や菓子の詰め合わせ)を売る物売りがやけに目立ったのは笑える。
 

メインストリートを脇に入ると、野菜や魚が道に広げられ売られているのは昔(2003年)と変わらない光景。
 

パレードの出発地点ワットタートノイに行くと、そこには美少女たちが待ち構えていた

朝食をとり終えパレードの出発地点となる寺院に向かうと、沿道にはすでにパレード参加者たちがタムロし大変な賑わい。前日は祭礼の飾り付けを売る露店は消え失せ、とにかくコスプレのような衣装に身を包んだ人たちに道は埋め尽くされてた。

猿のお面をつけた一群、実は学生グループとおぼしき子供たち。別の猿軍団ではマダお面をつけていないグループがいたが、その中の一人はカワイらしい女の子でビックリ。
 

エスニックグループの代表たちもパレードに参加。(パレード出発後に判るが)各グループの行進ではプラカードや旗を持ったカワイらしい女性が先頭を飾るのです。この2人も先頭を切ってパレードに参加した方たちでした。
 

ラオスのゆるキャラ神様プーニュー&ニャーニャーの周りは常に人だかり。神様たちはモテモテで、オヤジにとっては羨ましい限り。そう、一人旅は基本的に孤独なもの。もともと人と群れることが嫌いな私(オヤジ)ではあるが、若い女の子にもみくちゃにされる機会がもしあったら・・・Happyです!
 

出陣する山車もセッティング完了。パレードが始まる時間が刻一刻と近づくにつれ、私を含む周囲のテンションがどんどん盛り上がってくることが伝わります。次回の記事では興奮パレードの様子と、ミス・ルアンパバーンの仰天登場シーンを報告します。


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