寝台バスに乗り、やっとたどり着いたサワンナケート。ここまでの、ある意味で大変な苦行を終えホッと一息をつく。サワンナケートに到着したのは早朝で実はベトナム・フエ方面へ向かうバスには十分間に合う時間。参考のため、以前(2015年3月)に撮影したサワンナケート発ベトナム方面行き国際バスの時刻表をご覧ください。

サワンナケート~フエ(Hue)間のバスは毎日(MON~SUN)朝9:00出発、料金は110000キープ(VIPバス…?)と記されています。ちなみにラオスの通貨キープ(Kip)はおおよそ1ドル=8000キープで換算されているので、料金を米ドルに置き換えれば約13.75ドル(1500円程度)と考えてよろしいのでは。ちなみにフエへは他にも22:00発のバスが木・金曜に設定され90000キープとやや格安だが、これにはVIPともsleeper(寝台)とも記されておらず、相当の確度でボロバスによって国境越えをするのではと推測、これは避けるべきだね。
 
サワンナケートはベトナム中部~タイ東北部(ムクダハーン)を結ぶインドシナ東西回廊の一翼を担うため、フエ以外にもいくつかベトナム方面への国際バスが運行されている。バックパッカーにとって使いやすいのはダナン(Danang)行きだと思うが、それでもよく見ると毎日の運行ではありません。しかも、朝7:30発がsleeperなのに対し、夜22:00発がVIPともsleeperとも記されず、おそらくボロバス。ここからダナンまで少なくとも10時間以上は乗車することを考えれば・・・やはりHue行が無難なようです。
 
繰り返すがサワンナケートに到着したのは早朝のため、フエ行きバスの出発時間(9:00)まではだいぶ余裕がある。しかしねぇ、あの深夜バスで心身ともに疲れ切った私は、これから再び8~10時間のバス旅を耐え抜くほどの屈強なメンタルは持ち合わせていません。ラオス滞在期限も残り3日ほどはあるので、身体が回復するまでサワンナケートに滞在することにします。
 

サワンナケートには1泊しただけ、体力回復は意外に早かった!

サワンナケートはこれまで何度も滞在した私にとってはラオス南部のホームタウン、勝手を知る街でとても居心地がイイ街。以前にも数回紹介したが、夕刻、メコンに沈む夕陽を眺めながら飲むビアラオは格別の味です。
 

しかもこの街には、チープでオイシイ食堂が数多くある上に、日本のNPOがプロデュースしたGOO~Dなカフェも魅力的で、怠惰な私にとっては放っておくとずっと居ついてしまう街・・・これって滞在期限というお尻が決まったバックパッカーにはとても危険です。
 
馴染みのゲストハウスに赴き馴染みのスタッフと挨拶を交わすが、このゲストハウスの主ともいうべき日本人の長老はどこかへ旅立っている様子。きっとラオスビザ取得を兼ねてタイに発ってしまっているのか。いくら居心地が良いと言っても話し相手がいなければ、そこに留まる魅力は半減します。さすがにWifiを繋いで動画ばかり見るといった退屈な時間は過ごしたくない。まぁ身体はさほど疲れていないし、ここは1泊にとどめフエに向かうことにします。
 

サワンナケートのバスターミナルには、朝早い時間すでにバスが入線していた・・・ホッと安心!

朝方8:00頃バスターミナルに到着すると、すでにフエ行きのバスは入線しており、大きな荷物を詰め込む人々がたむろしていた。まぁいつものことだが、これがVIPバスと懐疑の目で突っ込みを入れたくなりますが、座席は2×2シートだし、リクライニングは効くしで文句は言えません。ちなみにVIPの名が外れた一般バスというのは・・・

ハイエースなどを用いたワゴン車(ソンテウ)にとにかくギュウギュウに押し込められるのはマシな方、大型のトゥクトゥクをバスと呼ぶことさえインドシナの地方部では一般的なのです。
 
とすれば、大型でリクライニングが効いたシートを持つならばVIPと呼んでも差し支えないのは大方の認識?日本の基準では納得いかないですがねぇ。
 

国際バスの旅は楽しいな、食事もオイシイな~!

フエ行き国際バスはほぼ定刻通りにバスターミナルを出発、外国人バックパッカーは誰一人も見当たりません。このルート、タイからベトナムに陸路で抜けるにはとても楽なルートなのになぁ。ただ、外国人が大多数を占めるラオス(パクセ)~カンボジア(プノンペン)ルートなどと比べるとローカル色が豊かで、旅の醍醐味が存分に楽しめる。例えば・・・

ローカルピープルたちは生理現象をモヨオしてくると、遠慮なく主張しバスを停車させる。そもそも、ガソリンスタンドや茶屋などで度々トイレ休憩をとっているのにもかかわらず、なぜそうした場所でトイレを済まさないのか、はなはだ疑問。彼らは、道端で立ちションすることなど恥とも何とも思っていないことが、ある意味羨ましいです。
 
このバス、とにかく途中休憩が頻繁でして、いつフエにたどり着くのか先が思いやられる。そのうち時間は正午に近づき、ランチタイムとなる。

ごく一般的なオカズのせご飯だが、ここで1つ特筆すべきことが。一般的なイメージでラオスといえば山岳国家、海の幸など高価な食材なのです。ところがここではエビに魚の煮物がつき、別注文のコーヒー込みで料金は20000キープ(約2.5ドル)とまあそんなものかと言える値段。そう、ベトナム国境に近い場所に来ると、海産物がごく一般的に流通していることが判ります。
 

ラオス・ベトナム国境に到着、ワンストップで国境審査を受けられる

食事をとり終えた後バスは出発するが、何の変哲もない農村地帯を進むうち退屈になる。サワンナケートを出発して4時間半ほど経った頃、全員荷物を持ってバスから降りるよう促される。いよいよ国境(イミグレーション)に到着したようです。

う、あまりに周囲と調和がとれない、真新しくバカでかい建物が私を威圧する。ここは、デーンサワン(ラオス)・ラオバオ(ベトナム)間にあるイミグレーションで、ラオス・ベトナムの両国旗が掲揚されている点が印象的。ワンストップで出入国審査を受けられとても便利なのです。
 
審査を終え足を踏み入れたベトナムは、ラオスと比べれば新しい建物がいくつか見える点が異なり双方の国ではは明らかに雰囲気が異なる。そう、ワンストップのイミグレーションを越えたかが100~200m歩くくらいで国も違えば雰囲気も異なる、まさに陸路国境越えの醍醐味が味わえるルートだと言えます。
 

ただね、国境なんていうのは人為的につくられた目にも見えない線というだけで、動物たちにとっては無意味なモノ。このヤギたちは、ひょっとしたらラオス側から越境してベトナムに入国したのでしょうか?もしそうなら、ヤギの飼い主氏はラオスとベトナムを自由に行き来しているのかなと疑問はつきません。
 

ベトナムの大地を疾走する国際バス、間もなくフエに到着です

ベトナムに入ると、割と山深いエリアをバスは走る。川沿いを走る向こうにはカルスト地形のえぐられた山々が見えてきて、いかにもベトナムの大地に踏み入れたことを想起させる。と、先ほどまでは誰かのトイレのたびにストップしていたバスだったが、ベトナムに入ると停車させようと主張することがなくなる。う~ん、ラオスなら許されるがベトナムでは遠慮するんだね。停車しないとなると押し寄せてくる睡魔に耐え切れなくなり、いつしかウトウト状態。ざわざわ乗客が降りる様子に私も起こされたのは、フエのバスターミナルに到着した時でした。時間は18:30頃、実に10時間弱のバス旅、お疲れさまでした!
 

ちなみにこれはフエで泊まったゲストハウスの室内から見た街の光景。ベトナム中部の古都を巡る旅が始まりです。


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