バックパッカー旅の予算カンボジア編です。カンボジアは非常に物価が安く、1日1000円程度の予算でも滞在が十分に可能です。たとえば、宿泊費は比較的広い個室でホットシャワー付きが1泊5ドル程度、飲んべえにとって重要なビール代は、オシャレなオープンバーでジョッキ1杯0.5ドルと、とにかく安い。まっ、観光客の財布からお金をむしり取ろうとするトラップが、そこら中に仕掛けられているので、それには注意が必要ですが・・・。

この写真は、私がカンボジアで一番好きな街「コンポンチャム」の様子です。
 
今回の記事は2018年1月17日に【2018年版】として公開したものに加筆修正を施し、【2019年版】として公開しました。
 

快適に安く滞在できるカンボジアはおすすめ、ただトラップには注意・・・

トラップ、トラップって何かしつこいですが、カンボジア旅行の予算を解説する前に、まずは数々のトラップを見ていきましょう。

カンボジアに来たら皆さん行く、あの観光地・・・入場料が異様に高い
またまた値上げ!アンコールワット&アンコールトム遺跡群

アンコールワット、アンコールトム都城内のバイヨンやタプロームなどに加えシェムリアップ近郊にあるロリュオス遺跡群などに入場するためにはアンコールパス(Angkor Pass)という共通入場券を買う必要があります。この入場券、たびたび料金が改定され、最近では2017年2月に値上げされました。この入場料・・・バカ高!
 
【アンコールパス料金(2017年2月改定)】

■1日券:料金37ドル 有効期限が1日だけ!
■3日券:料金62ドル 有効期限1週間のうち自由に3日を選ぶ
■7日券:料金72ドル 有効期限1か月のうち自由に7日を選ぶ

短期旅行者が、1日だけアンコールワット遺跡群を訪問するのに37ドルもかかるのです。これは、当地の物価水準に照らせば、信じられないほどの高い金額。どうせ観光するのなら、できれば7日券を買って、心置きなく存分に観光するのがベターですね。
 
ちなみにアンコールパスのチケットは、現金(米ドルかカンボジアの現地通貨リエル)かクレジットカードで購入できます。購入の際に写真が撮られチケットに印刷されるので、帰国後の良い記念になると思います。
 

アンコール以外の遺跡も値上げ傾向。東南アジアの観光地としては異例の高さ

アンコール以外の遺跡も値上げ傾向にあり、例えば私が2015年に訪れたことがある、「サンボー・プレイ・クック遺跡群」が、2017年に世界遺産に指定されてことも影響してか、今年2018年から入場料が10ドルに値上げされました。
 

トゥクトゥクやバイクタクシー、適正価格を言う運転手が多い中、観光客専門のボッタクリには注意

トゥクトゥク・・・東南アジアではお馴染み、バイクの後ろに客席を取り付けた簡易タクシーです。このトゥクトゥク、カンボジアでも観光客が訪れる街なら大概の場所で見つけることができて、便利な移動の足となっています。また、バイクタクシーとは、その字の通り、バイクの後ろの席に乗せてもらうことで、やはりメジャーな交通手段です。
こうした移動手段、どちらに乗っても言い値にさほど差はなく、2km程度の移動で1ドルくらいが相場だと覚えておきましょう。

アンコールワット&アンコールトム遺跡群をトゥクトゥクで観光するのにいくら位かかるの

アンコール遺跡群があるシェムリアップでは、トゥクトゥクの相場が概ね決まっており、始めからボッタクル気が満々のドライバーを外せば、値段はそうそう変わりません。では、トゥクトゥク1台(つまり1人で乗っても2人で乗っても値段は変わらないはず)を観光用にチャーターした場合の相場を公開します。

Small Tour(小回り観光):おおむね4~6時間程度のチャーターで10~13ドル
  訪れる主な観光スポット:アンコールワット、アンコールトム遺跡群、タケオ、タプロームなど
 
Grand Tour(大回り観光):1日チャーターで12~17ドル
  訪れる主な観光スポット:上記Small Tourに加え、東メボン、タソム、プレループなど

アンコールワットなどのアンコール遺跡群を巡る方、観光費は別予算でしっかり用意しておいてくださいね!ちなみに、こうした有料遺跡を観光しない方(めったにいないかもしれませんが)、カンボジアは本当に安くつきますよ!しかも、けっこう楽しめる。うん極楽、極楽。
 

被害者続出、ビザの話し

カンボジア入国にはビザが必要です。なお、ビザは空港や陸路での国境で当日、簡単に取れるので、日本で用意する必要がありません。・・・と、まぁ、空路でプノンペンやシェムリアップから入る人はとくに問題ないでしょう。パスポートと30ドル(1ヶ月有効の観光ビザ:2018年初現在)、できれば写真の用意があれば簡単に取れます。
では、なぜこれがトラップか?実は、タイやベトナム、ラオスから陸路で入国する人に対して、国境のイミグレ職員があの手この手で”ワイロ”を受け取ろうと躍起になっていることが多いのです。ビザ代がいつの間に「値上げした」と言われ35ドルや40ドル、2000バーツになったり、ビザ申請用紙(本来は無料)を売りつけようとしたり、写真がもしなければ特別代金を請求してきたりするかもしれません。また、ボールペンを渡したら返してもらえなかったり、時計をくれと言われることなど・・・こんな話し、ゴロゴロあります。

悪徳イミグレ職員にどう対抗すべきか?

彼らは権限を持っている分、厄介です。ビザが取れなければ入国できませんからね。では、どうやって彼らに対抗するか、秘訣を伝授しましょう。

  • 西洋人と徒党を組む:西洋人、とくに若い女性はかなり強いです。周囲を見渡せば、文句を言っている西洋人が多いでしょうから、一緒に抗議をしましょう。
  • やり取りを録音する、また機会を見て職員の顔写真を撮る(撮るふりをする):これは、私がラオス・カンボジア国境で使った手で、かなり有効です。相手に英語で言わせるだけ言わせるのです。その際、スマホでしっかり録音してください。周囲に外人が集まったところで、録音を流してみたら、面白い展開になりそうです。また、スマホカメラで相手を撮影する素振を見せ、とにかく周囲の人たちを巻き込んで主張してください。

 
私はこうしたやり取りが好きですが、面倒だと思う方は、あらかじめネットでビザ(e-VISA)を取得してください。私は、ネットでカンボジアビザを取得したことがないので詳しくは書けませんが、料金は36ドル。まぁ6ドルの手数料は陸路で取得することの面倒さを考えたら許容範囲でしょうか。
 

実は、一番厄介なトラップは、日本人(を語る)詐欺師野郎

カンボジアは、(タイほどではありませんが)かなり多くの日本人が”沈没”しています。そうした日本人(らしき人)の中には、同胞のはずの私たちからお金をむしり取ろうとする、悪い人がたまにいます。彼らは話術が非常に巧みで、会話がおもしろいかもしれませんが、変な店に連れて行こうとしたり、妙な儲け話をしてきたり・・・そんな展開になったら、話しを早く切り上げて、とっとと立ち去りましょう。
 

では、カンボジア滞在予算を分析してみましょう

カンボジアでは汚いドミトリーで何もせず、安っぽい飯を食べていれば1日5ドル以内で十分に旅生活ができます。しか~し、日本から遠く離れて、そんなみじめな生活がしたいの?貧乏を自慢するのは止めましょうよ!
 

宿泊費:東南アジアで最も安い宿泊費。ドミトリーが年々増加し宿泊費は安くなっている
プノンペン&シェムリアップの宿泊事情

学生の長期休みになると、プノンペンやシェムリアップの汚~いドミトリー宿(日本人宿とも言う)が混むんですよね。例えば、1泊3ドルで泊まって辛い思いをするの、楽しいですか?はっきり言って、私はそんな旅行、無理です。プノンペンのキャピトル(シングル5ドル)や、シェムリアップのタケオ(ドミトリー3ドル)をはじめ、超がつくほど有名な格安宿(日本人宿)は、野次馬気分で見学はいいかもしれませんが、泊まるのは自己責任で(ちなみに、私はカンボジアで日本人宿に泊まった経験がありません)。
 
カンボジアではとくにシェムリアップなど、ゲストハウスが供給過剰状態です。また、ネット予約が主流になる中、複数のゲストハウスを横並びで比較できるため、ゲストハウス1泊分の価格は年々低下する傾向にあります。試しに、以下のようなサイトで検索をしてみてはいかがでしょうか。
 
Booking.com

格安予約はagoda ポイント制度が充実
 
検索を行うと、なんと1ベッド200円台からヒットすると思います。また、街歩きの口コミサイトとしても優秀で、ガイドブックを持っていなくても、このサイトの情報だけで観光地・街歩き情報は万端です。
 
ホットシャワー付きの個室が希望の場合、さすがに3ドル以内は無理だと思います。プノンペンやシェムリアップでは、上記で挙げたようなレジェンドクラスの格安宿が個室で5ドル程度ですが、とにかく何度も繰り返すように私だったら泊まりません。ただ、1泊8ドル出せば、プノンペンやシェムリアップで、それなりに居心地の良いホットシャワー付き個室、かつ朝食込みで、けっこう簡単に見つかります。
 

プノンペン&シェムリアップでは宿のロケーションが大事です

プノンペンなら、トンレサップ川沿いのバー街に近い場所が良いのか、あるいはセントラルマーケット周辺などソリヤ・バスステーションの近くが良いのかなど、ロケーションの選定が重要です。
これが、シェムリアップなら、夜遊び好きなら当然パブ・ストリート界隈、どうしても日本人バックパッカーが恋しいのなら、タケオやクロマ―などの日本人宿界隈ということになりますね。
 

ホットシャワー付きの広い個室、地方都市では1泊6ドルが目安。それが街一番のホテルであることも多い

カンボジアだと、シェムリアップとプノンペン以外はどこも行かないという方が、もしかしたら多いのかな?でも、カンボジア滞在の醍醐味は、それ以外の地方都市にあります。
 
コンポンチャムやコンポントム、バタンバン、クラティエなどの地方ではドミトリーはほとんどありません。しかし、ホットシャワー付き個室が1泊6ドル程度で泊まれる!しかも、観光客が少ないコンポントムなどは、それが街一番の宿で、エレベータ付きのホテル。荷物も従業員が運んでくれる!カンボジアでは地方都市がおススメです。
 
ただしここで1つ注意が必要。近年、シアヌークビルやケップ、カンポットなどカンボジア南部の(ビーチ)リゾートが密かな人気を集めていますが、こちらは宿泊料金がやや高くつきます。とくにシアヌークビルで6ドル以内の宿を探そうとしたら至難の業かもしれない。また、カンポットは西洋人に人気、ケップはカンボジア人に人気の観光地となり、飛び込みで宿を探すことがかなり難しいものと思います。カンボジア南部のビーチリゾートをまわろうとお考えの方はその辺りを考慮ください。
 

食費:本来安いが、外人向けレストランでは1食2ドル程度から
現地の方向け食堂なら、腹いっぱい食べて1食0.5~1ドル前後

地元の方向け食堂やレストランの価格を公開します。

  • バケット 0.5~1ドル:ベトナムのバインミーのような具沢山のパン。ソーセージやナマスを入れる。
  • 麺料理 0.5~1ドル:クイティウという、おいしいミートボールが入っている麺料理でも1ドルしない程度。
  • ご飯料理 ピンキリだが1~2ドルで食べられる。ロックラックという牛肉の大きな塊がのったフライドライスが2ドルくらい。

 

これが外人向けレストランなら妙に高い。タケオの日本食をありがたがっている場合じゃない

例えばタケオ・・・ドミトリーのベッドはあれほど安いのに、1食分の食費はベッド代より高い!コロッケ定食にドリンクを付けたら5ドル程度はします。あんな日本食もどきで高いお金を出すのなら地元食を食べよう!
 

カンボジアの醍醐味は、やはり安いビール

シェムリアップのパブ・ストリート、その名の通り、(安っぽい)路面店のパブ&バーが密集しています。ここの名物は、ジョッキ1杯のドラフトビールが0.5ドル!当然、食事はとらずにビールだけでOKなので、どうぞ飲んだくれてください。
 

交通費:カンボジアでは都市間バス会社の競合が激しく、サービス・価格は満足できる

プノンペンからシェムリアップ、コンポンチャム、シアヌークビル、バタンバンを始め、カンボジアの(観光客が訪れるような)都市間移動では、断然バスが便利です。
それぞれの都市では複数の運行バス会社が競合しており、サービス競争が行われています。日本の観光バス仕様のリクライニングが効いたシートなのは当然、トイレ付きだったり、食事が含まれていることもあるので、チケット購入の際は確認をしてください。
なお、チケットの購入は、それぞれのバス会社のブースで買うのが基本ですが、シェムリアップなどの観光都市では、複数の運行会社のチケットを扱うツーリストオフィスがそこら中にあります。そうした場所では、バスターミナルまでのピックアップがついていることが一般的ですが、これもオフィスの方にご確認を。
 

カンボジアの都市間移動バスは、サイト予約ができる

こちらのサイト「BOOKMEBUS.COM」では、主要都市間の予約と支払いができる非常に便利なサイトです。
 

プノンペン⇒シェムリアップ バスで行くと、どれくらいの料金&時間がかかるの

試しに、「プノンペン⇒シェムリアップ」を検索してみましょう。検索結果がとにかくたくさん出てきます。「ソリヤ(Sorya)」や「バイヨン(Bayon)」、「メコンエクスプレス(Mekong Express)」などの有名どころ以外にも、これほどバス会社があったのかとビックリ仰天!同時間に複数の会社が運行されていますが、朝7:00から夜18:00まで15分おきにバスが出発しており、とにかく便利。
このうち、最も価格が安いのは「K.S.O Transport」という会社で朝7:45発車、料金は片道5ドル。最も路線網が発達し知名度が高い「ソリヤ(Sorya)」は料金7.5ドル。いずれの会社も所要時間は5時間半から6時間程度となっていますが、遅れて当然の世界、まぁ、8時間はかからないかな。
 

観光をしなければ1日1000円で極楽生活、ご納得でしょうか。

1日6ドルの個室は、日本の6畳間より広い上にきれいなバス(ホットシャワー)・トイレ付。おいしい麺やパン料理は1食1ドル以下(2食で1.5ドルとしましょう)、夜は豪華肉食でも2ドル以下(これも1.5ドルとしましょう)、ビール代はジョッキ1杯0.5ドルで飲んだくれ・・・10ドルあれば十分に豪勢な生活ができること、ご納得でしょうか。これがドミトリーなら、宿泊費がさらに下げられますね。でも、トラップには気をつけてください。


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