クチャ(庫車)郊外にはスバシ故城やキジル千仏洞、クズルガハ千仏洞といった亀茲国時代の多くの仏教遺跡が残されています。また、塩水溝やヤルダン地形群など、地質学的にみて非常に興味深い土地でもあります。これらの場所を公共バスで巡るのはさすがに無理があり、タクシーを1日チャーターし観光しました。今回の記事では、スバシ故城と塩水溝について紹介します。

 

突然ですが、宿泊したホテルの様子:麗都大酒店(Lidu Hotel)

前回までの記事で、宿泊したホテルについて一切触れていないことことに気づき、唐突ですが紹介します。宿泊ホテル名は麗都大酒店、4星級の当時は真新しいホテルでした。実は、もう少しグレードの低いホテルを探していたのですが、ウイグル暴動からまだ日が浅かったことも影響しているのでしょうか、150元前後のホテルはどこも宿泊拒否!外国人受入れホテルとして紹介された場所がここでした。1泊ツイン朝食込み、2名で258元。居心地は非常に良く、割安感がありましたよ。
 

朝食の様子。中国の中高級ホテルって、メニューは大体いっしょですよね。
 
ホテルから出て、近くに泊まっていたタクシーに声をかけます。タクシーの1日チャーター代金は400元(当時のレートで約5000円)、けっこう値段が張りますが走行距離が半端ないので、まぁ許容範囲です。
 

クチャ市街地を抜けて1軒のお宅を訪問、そこはドライバーさんの実家だった

クチャはそう大きい街ではありません。ホテルを出発後10分も経たないうちに、タクシーは1軒の民家の前に立ち寄りました。え、スバシ故城はまだだよなと思うもつかの間、中に入ることを促されました。そう、そこはタクシーのドライバーさんのお宅。お茶をご馳走になりました。みんなで写真を撮ろうと言ったが、ダメ~って断られてしまった。

 

スバシ故城

ドライバーのお宅で20分ほど休んで出発。延々と瓦礫だらけの無味乾燥な景色の中を走ります。この景色、飽きてきたよと思っていたところで車を降ろされる。

いきなりこの景色が広がる。今や砂漠の中の廃墟だが、スバシ故城は亀茲国最大の寺院だと考えられており、1000年前は緑が生い茂るオアシス都市であったと想像してみる。
 

私の伴侶が手を振っています。この広大な廃墟の中では、人がとても小さく見えます。
 

塩水溝

クチャ市内とスバシ故城を結ぶ道路は、かなり険しい山岳地帯を通ります。ただ、日本との違いは、そこに草木が一本も生えていない点。この岩肌や地層が剥き出しの場所に、河岸段丘と思われる地形が現れる。どうも、この辺りは「塩水溝」という場所で、塩田のように映る渓谷となるらしい。しかし、こんな厳しい環境の中にも人家があることに、少々感銘を受けました。

 

剥き出しの岩肌に緑を貼りつける点、さすがは中国です。以前、桂林近郊で見た光景は、裸の岩肌に緑や黄、赤で色鮮やかにペイントされた山!中国の人から見れば、そんな景色も美しく見えるのでしょうか?
 
クチャ郊外の観光は、まだ続きます。次回記事では、キジル千仏洞や、ヤルダン地形群、クズルガハ烽火台などを巡ります。


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