私たちはクチャ滞在を終えトルファンに移動しようと考えていましたが、バスだと、この両都市間で10時間以上かかるらしい。実は、私は長距離バスが大の苦手!何時間も乗り続けると、次第にお尻が痛くなり・・・。ということで間に街を1つ挟むことに決定、その街がコルラ(庫爾勒)という都市。ウイグル風情を期待しながら降り立った街でしたが、そこは発展著しい中国の地方都市といった様子で、ウイグルの雰囲気を全く感じとれない。それどころかウイグル族などイスラム系の人々をほとんど見かけることがない摩訶不思議な街でした。
 

コルラ市の概況(概ね、wikipediaを参照)

コルラは古来、シルクロードのオアシス都市として発展を遂げてきたが、近年ではタリム油田が開発されてことにより、石油・天然ガス関連の開発が大きく進んでいる。また、昨今の「西部大開発」によって近代都市として発展する一方、漢民族の大量流入が問題となっている。
⇒⇒⇒このwikiの解説を読んだだけで、ああそうですか……という感じですよね。クチャで存分にウイグル風情を楽しんだ後に「コルラ」、どちらも古来からのシルクロードを代表する都市だというのに、現在の街の姿が大きく異なる点に強いギャップを感じました。
 

クチャからコルラへ、バスで5時間の旅路

クチャからコルラまで5時間のバス旅、2011年当時のバス代金は1人52元でした。当時は1元=12円前後の超円高時代、海外どこへ行っても旅費が安く感じられるぜ!

バスは何もない”荒野”の中を進みます。変化に乏しい光景にすぐ眠くなってくる。
 

コルラに到着。「開元大酒店」(New Century Hotel)に宿泊

コルラでは、市内中心部にある「開元大酒店」に泊まる。1泊2名で158元、コスパ的にはマア良しといったレベル。
 

コルラ市内を歩く

宿が決まったことだし、街歩きに出かけることにしました。ホテルの方にコルラの見どころを尋ねたところ、「孔雀河」が一番おススメとのこと。大変美しく「砂漠の中の天国」という表現で推奨されました。これは期待が持てます。
 

「孔雀河」に着いたが・・・え、これって想像していた姿と全然違う!

コルラ市内中央には「孔雀河」(コンチェ河)が流れ、川岸は遊歩道&公園になっています。ホテルのお姉さんは「天国」と言っていた場所が上の写真!キレイに整備はされているが、あまりにも人工的な景色・・・え、天国の河ってどこにあるの?
 
まぁこれって中国では比較的よくありがちの光景です。彼らって人工的に作り上げたものが好きで、こういった補修整備を褒めたたえる方がけっこう多いんですよ。また、せっかくの古い街並みや自然景観をハリボテだらけにしてしまい、さらには大量のお土産屋をつくるのが彼らにとっての観光開発。上海・蘇州近郊の水郷都市(旧街:朱家角、周荘、西塘、烏鎮など)や、雲南省の麗江などを訪れたことがある方なら納得ですよね。新疆ウイグル自治区でも同様の街づくりがかなり大規模に行われているようです。
 

全く個性のない街、中国の地方都市ってどこもこんな感じだよね

街の中心部はどこもビルやマンションに囲まれており、古い家並みなどは全く残されていない。商店も中国ではお馴染みの某大型量販店が目立ち、個人商店がほとんど見当たりません。
 
しばらく周囲を歩くと、とりあえずはモスクを模した商業ビルが建てられていました。しかし中に入ると全くの無人。商店ブースとして区分けはされているが、ほぼ全ての窓ガラスが割られ廃墟同然の状態でした。剥がれかかったテナント募集の貼り紙が誰も必要としていない冷房の風でパタパタ揺れており、余計に侘しさがつのります。
 

街を出歩く人は中華系の人ばかり、ウイグル系の人影がほとんどない!

この街自体、出歩く人自体がとても少ないが、それでもすれ違う人は中華系(漢族)の人ばかり。ちなみに、食堂も中華系のチープな食堂が目立ち、ウイグル料理が食べられる場所が見つかりません。

やっと見つけた食堂で遅いランチを食べるが、これって懐かしの学校給食といった様子。味の論評は避けておきます。
 
しかし街なかをよく見るとウイグル系の人々を見つけることができます。その大多数は公園や歩道の清掃をしている方たちで、タオルで頭を覆っている。表情などを繁々と観察することはできませんでしたが、皆さんが確かに彫りの深いウイグル系特有の顔立ち。こうした点でも中国の現実を窺い知ることができます。
 
 
この街、気に入れば2泊でも3泊でもしたかったのですが、そんなプランは崩れてしまいました。翌日早々にトルファンに向かうことにします。


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