コルラの街に失望した私たちは、早々にウイグルを代表する観光都市の1つ「トルファン」(吐魯番)に向け出発しました。トルファンは、郊外の観光資源に豊富で、例えば、交河故城、高昌古城、ベゼクリク千仏洞、アスタナ古墓群、蘇公塔、また、火焔山、アイディン湖、葡萄溝といった自然景勝でも有名です。そうした著名な観光地へは後ほど向かうとして、まずは、トルファン市内を徒歩で観ることにしました。とくに、蘇公塔までの道のりはウイグル風情が存分に味わえる街並みで、とても優しい方たちに出会える素敵な街です。

 

トルファンの街歩きの前に、コルラからの移動の風景を紹介

コルラからトルファンまでは、バスで約6時間かかる。当時の料金は73元(1元=約12円)、まぁ、けっこう高いかな。バスは10:30にコルラを出発しました。
 

コルラからトルファンまで道中の光景

道中の大半が、何もない砂漠の中を進んで行く。こうした景色、日本ではまず見られない壮大なものですが、ウイグルなど中央アジアでは、これが大半なので、かなり飽きてきます。
 

食事&トイレ休憩をはさみます。ちなみに、トイレの話し・・・男はその辺の原っぱで用をたしますが、女性はかなりきつかったらしい。私の伴侶によれば、あんな汚く臭いのは、他の中国やインドでもあり得ないレベルだったらしい。囲いがないのは当然で、トイレ穴から大量の汚いものが周囲一帯に溢れだし、そこで済ませる人は足首が完全に埋まる。地元の人はそれが判っているので、ビニール製長靴を持参して、し終わった後に靴を洗っていたとのこと。漢人系の観光客は、靴を脱いで(つまり裸足で!)そこに入ったらしく、水場で泣きながら足を洗っていたらしい。
 

汚い話しをした後に、食事の話しは気がひけますが、ここのピラフ、美味しかったです!ヒゲの方もご満悦。
 

トルファンでは「交通賓館」に宿泊

トルファンに着き、いつもなら宿探しのところ、この日はかなり疲れ切っていた。バスターミナルに隣接した「交通賓館」に決める。ツイン食事付きで1泊240元、部屋は良くコスパ的にはまぁまぁ。徒歩でスグの場所には、いかにもウイグルらしい商業街「新拓商城」や、中央広場「文化旅游広場」などがあり、居心地は良かった。しかし、廊下の写真は、かなり不気味な雰囲気を醸し出していますね。
 

トルファン市内中心部を散策する

宿泊先の「交通賓館」がトルファン市街地の中心部にあるため、散歩で出歩くのに非常に便利でした。
 

「新拓商城」は中央アジアのバザールを彷彿とさせる

こちらの商業街、規模は小さいですが、ウイグル風情がかなり強いものが売られています。
 

朝方は、手作りのヨーグルトやアイスクリームなどが売られています。ヨーグルトは酸味たっぷりの野趣あふれる味で美味しかったです。
 

青年路の葡萄棚

ここ、トルファン中心街ではかなり有名な見どころのはずですが、人通りはほとんどなかった。トルファンの街、静かすぎる!ちなみに、私の後姿が写りこんでいますね。
 

「文化旅游広場」は夜の噴水ショーがおすすめ!

青年路を脇にそれると、キレイに整備された公園「文化旅游広場」にたどり着きます。こちらの広場はホテルからもほど近く、散歩をするのに気持ちが良い場所です。しかし、このナショナリズムを煽る、国旗のデコレーションやスローガン……ま、コメントは差し控えます。
 

ただ、この広場をより魅力のある広場にしているのは、夜、暗くなってきた頃に行われる噴水ショーがあるから。夕方頃から屋台などの出店が建ち始め、カップルや家族連れなど、いつの間に人通りが多くなる。そして、北京時間の20:00に噴水ショーはスタート。こちらの噴水ショーは「百米音楽跑泉」、つまり100メートル音楽噴水ショーと言う名前が付けられ、その名の通りかなり巨大な噴水です。いかにも中国らしい威勢の良い音楽に合わせながら、ライトアップされた噴水がまるで生き物のように動く様は、確かに見応えがありました。噴水の正面には、中国お得意の巨大スローガンですね。
 

「蘇公塔」まで歩いて向かう

トルファン市内にある観光地としては「蘇公塔」が一番著名な場所ではないでしょうか。蘇公塔とは、モスクのミナレット(尖塔)で中国最大のものと言われています。この蘇公塔へは、市内バス「6番」や「102番」でも行けますが、私たちは歩いて行きました。ホテルからはユックリ散歩して1時間半のほどの道のり。途中の「南門村」はウイグル風情が楽しめる、とても楽しい散策となります。
 

「蘇公塔」さすが中国最大のミナレット、遠くからでも目立ちます

道中の紹介は最後に、まずは蘇公塔から紹介します。ここまでは人に道を尋ねながら来ましたが、とくに迷うことはありません。それほど、遠くからでも目立ちます。礼拝時間には合わなかったため、モスクには誰もいませんでした。
 

やはり、旅は道中が一番おもしろい!「南門村」の人たち

蘇公塔に至る手前は「南門村」という集落で、ウイグル人の方たちの居住エリア。カメラを持っていると、「どこから来たんだ」と始めは怪訝そうな口調で聞かれます。「日本からだよ」と言うと、とたんに笑顔に変わり、いろいろ会話が始まります。私たち、ウイグル語は判りませんが、中国語(北京語)に関しては、まぁ多少は自信があり。ちなみに、話しをするのは主に若い男性で、女性や子供は写真には収まりますが、会話にはほとんど入りません。
 

老齢の方のお宅でお茶をいただきました。ブドウを見てくれと言われ貯蔵庫へ行くと、干されたブドウが見事に吊るされていました。こうしたウイグルのカルチャー、いつまでも続いてほしい!


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