中国を代表するLCC、春秋航空で茨城から上海経由で桂林に入った翌日、私と伴侶の2人は広西壮族自治区と貴州省にまたがり集住するトン族の文化遺産を訪ね歩きまわりました。まず初日は、桂林から龍勝を経由し三江という街へと向かいます。この記事では、ヤオ族の方が多く住む棚田が美しい集落「龍勝」を紹介。実は2000年12月にも三江エリアを旅行し、この龍勝を訪れていました。今回の記事では2000年当時の姿と比較、10数年を経た中国農村部の変化をご覧ください。
 

龍勝(龍脊棚田)への行き方(2018年版)

私が龍勝を訪れたのは2000年と2012年の2度ですが、アクセス情報としてはかなり古い!ここでは、龍勝の景勝エリアへの行き方を2018年現在の情報にアップデートしておきます。

出発地は桂林のバスターミナル「琴潭汽车客运站」。ここから龍勝(龙胜)へ向かいます

桂林の琴潭バスターミナルから龍勝までは2時間半程度、急行バスと普通バスがあり本数は多い。ちなみに、棚田エリアへ行くときは入場チケットを購入する必要がありますが、これは龍勝の街中では買えません。普通バスに乗ると龍勝の街に着く手前にある「和平」という集落で降りるのが便利です。急行バスに乗った場合は「和平」には停まらないので、龍勝からバスで和平を経由し「平安」に向かいましょう。桂林から和平までのバス料金は、ネットで検索したところ30元くらい。下の写真は龍勝の街(2012年撮影)。

 

龍勝の棚田エリアを巡るには入域チケットが必要。チケット代金は95元と高い!

龍勝または和平に着いたら、バスに乗り換え「平安」に向かい、入域チケットを購入します。なんで村落一帯を巡るのに入場券がいるのだ~、しかも2000年当時は無料!2012年も確か30元程度だと思いました。現在は・・・ネットで検索すると95元、なんじゃこりゃー!この値段すらも、いつ値上げされているか判らない・・・。
 
ちなみにチケットでは、「龍脊古壮塞」「平安」「金坑」の3エリアに入域することができます。チケットに地図が印刷されており、この辺りの位置関係が記されているが、事前に知りたい方はネットで「龍勝 入場券」といったキーワードで画像検索すればヒットするはず。ちなみに、私たちが2012年に訪問した際は、龍勝からバスに乗り「平安」で下車。チケットを購入後、徒歩で龍脊の棚田を歩きました。帰りは、平安からバスに乗り「黄洛」の紅ヤオ族(長髪ヤオ族)集落で途中下車。その後、龍勝に戻る経路を辿りました。
 
これが2000年当時は・・・黄洛まではバスで行けましたが、そこから龍脊方面へはトレッキング!紅ヤオ族のお姉さんをガイドに雇い、ひいひい棚田の斜面を上り下りしながら歩き回った古き良き思い出がよみがえる。
 

平安村~龍脊棚田を歩く。注意書きがない場合、2012年の記録です
チケット購入後、散策を開始。壮族(チワン族)の集落「平安村」を歩きます

チケットを購入後、橋をを渡り、チワン族の集落に入ります。この橋は「風雨橋」といいトン族を語るに欠かせない文化遺産ですが、風雨橋はトン族以外にもチワン族やヤオ族の集落でも見られます。

左(上)のものは2012年のもの・・・この光景を見て思い出しました。ここ、2000年にも歩いている!しかも写真も撮っていました。そこで、2000年当時の風雨橋を右(下)に掲載。2000年当時は、トン族に特徴的な四層の櫓がついていたが、こちらは現在取り払われ簡素化しているのが判ります。
 

チワン族の集落、平安村の中を歩きます。この一本道を上って行くと、龍脊の景勝地に行きつきます。
 

ちなみに、平安村はかなり観光化されており、中国人観光客はかごに乗って観光している。英語やフランス語表記もけっこう目立ち、西洋人にも人気のようです。
 

では、2000年の様子を見てみましょう(ほぼ定点観測)。う~ん、素朴。
 

景勝地「龍脊棚田」に到着

平安の集落を歩いていると、いつの間に開けた場所に出る。そこが景勝地「龍脊棚田」です。あいにく見通しは悪いですが、これでも十分に美しい景色。
 

上の2000年当時も、この光景はさほど変わりません。当時は地元チワン族の方々の憩いの場として皆さん談笑にふけっていました。
 

黄洛村 紅ヤオ族(長髪ヤオ族)の集落

なぜ、この龍勝を訪れたかったのか、その理由は黄洛村がこの10年ほどでどう変化しているか見たかったからです。

2000年当時の黄洛村

バスを降りると、1本のつり橋がかかっている。そこを渡ろうとすると、ヤオ族の方から声がかかりました。彼女によると、棚田がある景勝地までの道は判りにくくガイドが必要という話しでした。ガイド料は覚えていませんが、30元くらいだった気がする。ちなみに2枚目は帰り際の写真。
 

観光化は全くされていませんが、ガイドの申し出があるということは、たまには物好きが来るのでしょう。帰り際、彼女のお宅で昼食をご馳走になりました。
 

ガイドさんの編み込まれた頭髪に興味を持ち、「どうやって編んでいるの」と軽い好奇心で聞きました。すると彼女、なぜか恥ずかしがる態度を示すが、しばらくすると家の裏に私たちを連れ出す。頼みもしていないのに、いきなり彼女が髪をほどくと・・・それはそれは長いこと!おもわず驚きの声をあげてしまいました。
 

2012年の黄洛村・・・女性たちの意識の変化が判ります

バスを降りるとつり橋があり・・・その点は変わりませんが、つり橋の向こう側の家々がみな大きく立派になっている。10年前と同じく村の女性がこちらに向かって歩いてきた。彼女について村の中に入ります。
 

すると、何やら体育館のような建物の中を見て行けと言われる(こんなの10年前にはあるはずがない!)。そこにはちょっとした展示物が置かれているが、薄~い内容で興味を引くものはなかった。一応は紅ヤオ族の伝統楽器が置かれており、一番の見ものかな。近くの掲示を見ると伝統舞踊ショーのスケジュールが貼ってあり、ここが舞台となる様子。もうすぐ開演のようです。
 

ただ、この日はなぜか会場を使わず、何人かの女性が建物の外で合唱を始めました。そして、長髪をほどくショーが開演。2000年当時の恥じらいながら何か秘め事のように髪をほどく姿に私もドギマギしたが、今やショーアップされた光景を見せつけられ唖然となる。たった10年の間に、女性たちの意識がこれほどまでに変わるのですね。


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