今回ラオスからカンボジアに陸路で初めて入国したのですが、私はその後2017年までにこの国境を4回利用した経験があります。ただ、この国境は通るたびに毎回何らかのトラブルがある、いわくつきの国境なのです。私など4回も利用したので、こうしたトラブルに対応する術を持っていますが、大した情報を持ち合わせていない旅行者が途方に暮れる姿を毎回あちこちで見られる。
 
では、この国境越えの様子を当時の写真と記憶をもとにレポートします。また、トラブルの実例とその対処法を紹介します。
 

シーパンドン(ドンデット)で国境越えバスのチケットを購入する

ドンデットでは多くのゲストハウスやレストランが旅行会社を兼ねており、上のようなボードを掲げています。どの場所もおおむね料金は変わりませんが、中にはフザケタ金額を掲示する場所もあるので、一応は何ヶ所かチェックしましょう。このボードではカンボジアのプノンペンまで30ドル、シェムリアップまでは35ドルと表示されています。
 
カンボジアへいざ出発!チケットを購入した場所に集合となるでしょう。ドンデットからカンボジア方面に向かう旅行者は多いので、彼らと一緒に行動し、はぐれないようにしましょう。ボートでナカサンに移動した後、ワゴン車に乗り込みます。ちなみにこの時に乗った「ワゴン車」というのがクセモノで、国境では別のクルマに乗り換えさせられた。ちなみに、パクセからプノンペンまで直行で運行される大型バス(下の写真)とは全くの別物です。

 

ラオス側国境「ノーンノックキエン(Nong Nok Khiene)」に到着

ラオス側国境に到着、私たちはクルマから降ろされます。下の写真は2015年に撮影したラオス側イミグレーションの建物。立派ですね!

 
ただ、このイミグレーションでまず第一のトラップがあります。多くの旅行者が出国印をパスポートに押してもらう際、1~2ドル程度の手数料を請求されるとのことです(ちなみに私の場合、ラオス国境で請求された経験はない)。確かに、タイ・ラオス国境(第一友好橋)などでも請求されることはあり、理由を聞くと”時間外手数料、入国/出国スタンプ料”などという返答がなされます。しかも、友好橋などでは出入国するラオス人が10000キップ程度を手渡している光景がよく見られる。
 
ちなみに時間外や休日の場合は手数料が正規に定められており、確かに払う必要があります。でもねぇ、そうしたイレギュラーな状況ではなく、通常の国境開門時間に通過する旅行者に対しても請求されることが多く、これは見逃せない事態ですね。
 
仮に請求された場合、さほど高い料金ではないため払ってしまう旅行者が多いものと思われます。ただ、こうした理不尽な状況で私なら、払うのを渋ります。渋りながら、スマホを用意しムービーで撮影してしまいましょう。できれば、外国人旅行者と一緒に徒党を組むのが良いと思います。私はこの手で、カンボジア側の理不尽な要求を拒否できた経験がアリ。また、インドネシア・バリ島では悪徳警官が理不尽なワイロを請求してきたことがあったが、やはりスマホを向けてムービーにしたところ”もういい、あっちへ行け”と言われ解放された経験もあります。
 

ラオス側国境とカンボジア国境の間をトボトボ歩く

国境間の緩衝地帯を数百メートル歩くことになりますが、これは日本ではまずありえない経験が味わえる。前方には、カンボジア側イミグレーションが見えますね。多少の緊張感をもって歩きましょう。
 
この間で注意することは、カンボジアのイミグレに到着する手前でなぜか「健康診断」のブースが設けられていること。こちらの健康診断を受けないと、カンボジアのビザが発給されないと勝手な理屈で脅されますが、日本人のカンボジア入国に際し健康チェックの必要はありません!ここは無視して通りましょう(ちなみに健康チェックを受けた場合、適当な問診票に記入し提出するだけで1~2ドル程度は請求されるらしい!)。
 

カンボジア側イミグレーション「トラピアンクリエル(Trapeang Krieal)」を越える

ここで大半の旅行者はカンボジア入国ビザを取得することになります。1ヶ月有効のシングル観光ビザが30ドルのはずです!ところが、このイミグレで30ドルの支出で済んだ方はそうそう多くないでしょう・・・Why!?
 
ここでは5~10ドル程度上乗せされて請求されてしまう。なぜ料金が高いか理由を聞くと「ビザ代が値上げした」「ビザ申請用紙代金」「出入国スタンプ料」などの名目を唱えてくるでしょう。実はこの1回目の国境越えの際、私も5ドル程度の”手数料”を払ってしまいました。なぜなら、ビザ申請中はパスポートが取り上げられている上に、イミグレ職員の顔を撮影しようとしても、職員は淡々と業務をこなすフリを見せ、こちらの抗議を全く無視する態度をとってきたからです。これってお手上げの状態、イミグレ職員のボッタくり要求には黙って従えということでしょうか。
 
実は2度目にこの国境を通過した2015年、私は一計を案じて外国人旅行者と協力して、追加の”手数料”を払わずに済ませました。あらかじめカンボジア入国管理局の連絡先を調べておき、そちらに連絡がすぐつくフリをするようスマホに電話番号を表示させておく。イミグレ職員が料金請求する際、案の定35ドルと言ってくるやり取りを実際に録音します。その上で入国管理局の電話番号を表示させたスマホを見せたところ職員の態度は一変、近隣の外国人も含め”正規料金”でビザを取得することに成功しました。
 

イミグレを済ませると、何軒か小汚い食堂が並ぶ一角があります。これらは両替屋を兼ねておりカンボジアの通貨リエルを入手することができるが極悪レート!米ドル(あるいはタイバーツ)を持っていれば無理にここで両替をする必要はありません。カンボジア国内では、1ドル=4000リエルで換算されることが多く、大概の場所で米ドルを受け取ってもらえます。
 
では、クラティエに向け出発です。


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