まずは旅の話しを始める前に、簡単な歴史の話し。ミャンマーの歴史をひも解くと、16世紀バイナウン治世期のタウングー王朝は現在のミャンマー国土の大半を掌握した上に、タイのアユタヤ王朝を属国化するなど、おそらくミャンマー=ビルマの最盛期を迎えます。17世紀前半にはマンダレー郊外のインワという街に遷都、それ以降19世紀後半までマンダレーを中心とした周辺エリアに王都が移されていく。
 
今回紹介するアマラプラもマンダレー周辺にある王都のうちの1つ、コンバウン朝時代の1783年にインワから都が移された街。ただ、王都であった過去を先入観に抱きこの街を訪れてもアゼンとするばかり、都であった面影は全く感じることができません。ミャンマーのありふれた田舎町だなぁと思いながらウロツクと突然の奇景が眼前に広がり、これまたアゼンとしてしまう。しかも、見どころは(ガイドブックでも大きく取り上げられた)ウーベイン橋だけではないのです。前回記事で紹介した伝説の生き物マヌーティア(上半身が女性、下半身がライオン!)は、このアマラプラで見たモノがもっとも美しいくせに、あの独特のポーズが妙にはまり笑えてしまう。

ちなみにこれは前回記事で紹介したマヌーティア。かなりデフォルメされ”美しい女性”には全く見えません。それがアマラプラの寺院で見たマヌーティアになると・・・

どうですか、”美しい女性”というのが(多少は)納得できるでしょうか。後ほど、側面部も含めさらに紹介しますが、こちらの寺院には何体もマヌーティアが鎮座し出迎えてくれる。インパクト抜群でしょ!ということで、マンダレー郊外で私がもっとも興奮した街アマラプラを紹介します。
 

何の変哲もない田舎町で、いきなり象のパレードが出迎えてくれる

まずは例によってアマラプラへのアクセス方法を簡単に紹介。マンダレー安宿街のすぐ近く(29番通りと84番通りの交差点付近)から8番のピックアップバスに乗りこむ・・・

と、これが私が乗ったピックアップバス。軽トラに荷台を付けた方式はタイのソンテウなど東南アジアではお馴染みの光景ですね。バスに揺られ1時間弱でアマラプラに到着です。
 

 

のんびり散策をすると、あちらこちらから機を織る音が聞こえる。この町は織物産業が盛んなようです。工場に入り見学をすることは基本的にWelcomeの様子。
 

町散策を楽しんでいると、いきなり象が出現・・・これ、ニャウンシュエで見たニセモノではなく本物の巨大な象です!どうも祭礼が行われているようで、パレードについて行く。
 

いや~これだけ多くの人出があったとは・・・先ほどまでの閑静な町はどこへ行ったのか、とにかく人・人・人。さすがはミャンマー、謎はつのるばかりです。
 

ピックアップバスもギュウギュウ詰めで、屋根にまで人が乗っている。いや~僕もタイミングが少しずれていたら、この拷問バスに乗っていたのかと思うと…感無量です。
 

ウーベインの木橋にこれまたビックリ!

象のパレードにそのままついて行ってしまうことも一興ですが、ここは気を取り直してアマラプラ最大の観光資源であるウーベイン橋を目指します。
 

これ、全て木でできているのです。タウンタマン湖を横切る全長1.2kmの橋は壮観そのもの…ただ、私は以前カンボジア・コンポンチャムの木橋(バンブーブリッジ)を紹介しており、そちらの方が規模は大きいように思えました。
 

上の2枚の写真がカンボジア・コンポンチャムのバンブーブリッジ。この何が凄いかといえば、クルマや馬が橋の上をバンバン通り過ぎる点!とにかくデンジャラスで、砂埃や揺れが半端ないのです。通行人は常に四方八方に気を配っていないと、いつ轢かれてしまうか・・・こんな場所でケガをしたくないよぉ!
 
と、カンボジアの話しは脇に置いて、再びミャンマー・アマラプラに戻ります。

延々と続く木橋は、さすがに奇景の名に恥じないもの。まぁカンボジアのものと比較したら…と言いたくなりますが、比較すること自体が意味のないこと。大体ねぇ「文化」を比べて優劣をつけるなど愚の骨頂!学校の試験とは異なり、そもそも文化を点数化して序列をつけるなど天罰が下りそうです。しかも地理的・歴史的条件を考慮せずに、コレよりもアレの方が素敵だねなんて言う方がいたら、その方の思慮や見識のなさを指摘してあげましょう。とにかく、カンボジアはカンボジアの、ミャンマーはミャンマーの素晴らしさがある!ちなみに日を遮るものがない道を歩くのは辛いと思われ、こちらアマラプラの木橋では途中に休憩所がいくつか設けられています。
 

休憩所では、ステキなミャンマー女性が休んでいました。以前も書きましたがミャンマーって美人が多いのですよ・・・ってこうした評価を記すのは愚の骨頂とすぐ上で書いたのはドコの誰でしょうか・・・まぁ評価というものは感性の問題、私は自分の感覚に従い評価を記すことにします(これを矛盾と言う!)。
湖を見ると、遠浅なのか釣りをする人が目立ちました。ただいま乾季の真っ盛り、湖を歩いて渡ることも可能そうですね。
 

橋を渡ると、伝説の生き物マヌーティアがそこかしこに出没していた

橋を渡り終えると、Shinpin Shwegu Pagodaなどいくつかの寺院がある集落となる。そのうちの一つ、チャウットーヂー・パヤーに入場、白亜の五百羅漢像が私を出迎えてくれる。
 

仏塔の中には、真新しくも神々しい仏像が私の来訪を歓迎してくれました。
 

さて、私を歓迎してくれたのは五百羅漢像や仏像だけではない。何体ものマヌーティアがワンワンポーズ(失礼!)で私の来訪を待ちわびていたのです。いや~、僕も君たちに会いたかったよ!ちなみに上のマヌーティア、異なるものを載せたが、まさに一卵性双生児のごとく彼女らの違いを判別するのはムズカシイ~。
 

今度は正面から異なるマヌーティアを見てみましょう。ほら、微妙にお顔の造形が異なるでしょう。どちらが好みのマヌーティアか評価を下すことは差し控えます。先ほど文化の優劣について述べたことと同様、こうした神様の造形物をどちらが良い/悪いなど言うのは罰当たりなこと。どちらのマヌーティアも美しい女性(?)で素晴らしい!もし人間に化けて登場したら、お付き合いしてくださいと思わずナンパしてしまうかもしれません。


<スポンサーリンク>