従江に到着した翌日に、さっそく私たちはワゴン車を終日チャーターし、トン族の方が暮らす村々を「従江→小黄→黄崗→芭扒→高増→平求→従江」というコースで辿りました。ほとんど予備知識もなく、地図をにらみながら行けそうな場所を選んだだけだったが、この選択が大正解でした。黄崗ではいまだ開発が及ばない前近代的な姿に感銘を受け、平求では結婚式に飛び入りで参加したりと、非常に印象深く濃密な1日となったことを今でも鮮明に記憶しています。今回は、まず最初に訪れた集落「小黄」を紹介します。

 

車のチャーターでさっそく手間取る

先に記したコースで、タクシーの1日チャーターの交渉を開始です。私が希望する価格は300元、何台もの車と交渉をしましたが、300元はおろか1000元でも嫌だという車が多い。話しを聞いてみると、どの車も「黄崗」へ行くことを嫌がる。黄崗や小黄を省けば300元でもイイと言う車は多いが、私としては黄崗に行きたいのです。交渉が長引く中、勇敢(!)なドライバーの方が現れ、450元でOKとのこと。まぁ、目標には届かなかったなと思いながら、それで手を打ちましたが、実はこの金額が非常に安いことを後に思い知るのです。
 

小黄村の概略

従江から小黄までは約30km、車で1時間程度の道のりとなります。貴州省日本観光センターの案内によると「小黄トン族の長歌はとくに著名で、中国文化部から民間芸術の里に指名されている」とのこと。ただ、今回の旅では、この長歌を聴く機会はありませんでした。
 
従江から小黄までの道中は舗装され快適なドライブでした。途中で、トン族の老婦人の方が手を挙げる姿が見えるが、ヒッチハイクのようです。ドライバーは私たちに乗せても良いかと聞いてきたので、当然OK、彼女らは小黄まで同乗するのでした。

こちらが、同乗してきた方々。どちらもトン族伝統の衣装に身を包んでいますね。
 

小黄:まずは鼓楼と風雨橋を紹介します

車はこの広場の一角に停まりました。村の中心的な広場で、特徴的な形の鼓楼がそびえています。
 

こちらの鼓楼、よく見てみると各層には人々の生活や動物たちを表した絵が描かれており、隅には彫刻が施され見事です。また、最上層の下には槍と薙刀をもった人々の姿が見えます。
 

こちらの風雨橋、非常に短い橋ですが天井部にある塔の意匠は見事なものです。
 

橋の中には素朴だが味わいのある絵が描かれており、その内容に興味を惹かれました。
 

村人の方たちのスケッチ

女性たちの多くが、このような衣装を着ています。これが、この村落のトン族女性たちのベーシックな民族衣装デザインなのでしょう。
 

お子さんたち、かわいいですね!向かって右側のお子さんは光沢がある素材の上着を着ています。車に同乗した老婦人も、この光沢がある上着を着ており、おそらくトン族の方々のよそゆきの衣装なのでしょうか。
 

小黄村の生活の様子を見てみましょう

1枚目の写真は、トン族の村ではよく見る、布をたたいている様子。藍染の染色技術に長けたトン族ご婦人の日常的な光景です。そして2枚目は、作物の稲を脱穀する様子。こうした光景、現代の日本ではもう見ることができないものですね。
 

こちらは豚さんを焼いている様子。私のブログでは、かなりお馴染みの光景でしょうか。ちなみに、作業をする若い男性の髪形に注目してください。皆さん”リーゼント”をしているような髪型です。今頃リーゼントの髪形が流行っているのかな、あるいは、ひょっとすると子供時代の髪形が影響しているのかもしれない。このブログでは「堂安」を紹介したときに、真ん中を剃りあげる独特の髪形の子供を取り上げましたが、この髪形と青年時のリーゼント、何か関係がありそうです。。
 

村の広場の脇では服の市が開かれていました。多くのお母さんたちが買い物に駆けつけていますね。
 

最後はこちら。おぼろ豆腐のようなものをつくっています。後に通りかかったら、買いに来るお客が並んでいました。
 
 
小黄の見学を終え、次は黄崗に向かいます。途中は未舗装のダートロードで、なぜここへ行くことを希望してしまったのだろうと後悔するような道のりでした。


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